研ぎ方のコツ

研ぎ直すことによって、庖丁本来の能力を再び発揮させることができます。庖丁を研ぐコツは、「基本をしっかり学び、あとは慣れる」こと。自分で研ぐことで愛着がわき、さらなる満足感を味わっていただけます。また、お持ちの庖丁の材質なども確認することで、次回購入時の参考にもなります。

切れない庖丁を無理矢理使っていると危険です。包丁研ぎにチャレンジしてみませんか。「自信がない」「大きな刃こぼれができ、自分で研げなくなった」という場合には、タダフサの研ぎ直しサービスをご利用ください。弊社で研ぎ直しいたします。

公式オンラインショップ<抗菌炭化木まな板・砥石など>

砥石の種類

→中川政七商店編集のメデイアサイト「さんち 〜工芸と探訪〜」にて、
庖丁研ぎワークショップのようすをご紹介いただきました。

【研ぐタイミング】

庖丁の研ぎごろ

庖丁は毎日使っているうちに刃先が摩耗して、だんだんと切れにくくなっていきます。

特にプラスチック製まな板を使用していると、切れ味もすぐ悪くなります。使用頻度にもよりますが、少なくとも2~3か月に一度は庖丁を研ぐことをおすすめします。

【砥石の準備】

砥石の表面は、いつも凹凸のない状態にしておきましょう。“面直し砥石”などを使って、水平にお手入れしてください。刃こぼれがある場合は荒砥石[#400]が必要ですが、通常は中砥石[#800]で十分です。台所などで庖丁を研ぐ場合は、濡れふきんなどの上に砥石を置きます。砥石が動かないように注意してください。

吸水性の砥石

タダフサで販売している砥石は吸水性のため、使用前に水に浸します。気泡が出なくなるまで約20分程度しっかり浸してください。

※木の砥石台を水に浸すと、歪みや変形が起きる場合があります。

【研ぎ方】

1.庖丁は数回に分けて研ぐ

庖丁は数回に分けて研ぐ

庖丁を研ぐときには、数回に分けて研ぎます。刃渡り15㎝程度の庖丁であれば、切っ先(先端)・真ん中・アゴ(手元)と順番に研いでいくようにしましょう。

2.砥石と庖丁の角度

◎上から見た角度:砥石に対して約45度の角度を保ちます。

砥石と庖丁の上から見た角度

◎横から見た角度

砥石と庖丁の横から見た角度(片刃)

・両刃(三徳・ペティ・牛刀・菜切など万能型):庖丁の下に10円玉を3枚重ねた程度の角度(約15度)を一定に保ちます。

砥石と庖丁の横から見た角度(片刃)

・片刃(出刃や刺身・柳刃):上図のように切刃(刃がついている面)の角度を一定に保ちます。

3. 表を研ぐ

庖丁の表を研ぐ

利き手で庖丁を持ち、反対の手で刃のはらを押さえ、表から研ぎます。刃先は自分側に向けて、手前から奥へ押し出すように動かし、戻す時は力を入れず、軽く引きます。

庖丁を研いでいくと、砥石の表面にネバネバした“砥どろ”が出ます。この“砥どろ”は、庖丁をうまく研いで鋭利な刃付けをするために必要です。洗い流したりせず、“砥どろ”の上に水を少しずつ加えながら、研いでください。

4. かえりのチェック

かえりのチェック

表を研いで刃の先端にかえり(バリ)が出たら、次の部分を研ぎましょう。庖丁の先端からアゴまで順番に研いで、全体に刃のかえりが出たら片面の研ぎは終了です。

5. 裏を研ぐ

庖丁の裏を研ぐ

・両刃:角度を約15度~20度に保ち、刃のかえりが出るまで研ぎます。

・片刃:庖丁の裏面全体を砥石にぴったり当て、かえりが取れるように軽く研ぎます。砥石が平らな状態になっていることを確認してください。

6. 仕上げ

◎仕上げ砥石がある場合:仕上げ砥石に変えて3~5の工程を同じように繰り返します。

◎仕上げ砥石がない場合:もう一度、表から研いで刃をつけます。角度を15度~20度に保ち、砥石の上を滑らせ、かえりが取れるように2~3度軽く研ぎます。アゴを研ぐ際に口金があたる場合は庖丁を真横に近い角度にして研いでください。

7. 庖丁をきれいにする

庖丁をきれいにする

研ぎ終わった庖丁は、水洗いし汚れを落とし、乾いた布でしっかり水分を拭き取ってください。お湯で拭き取ると乾きやすくなります。

・庖丁の角度を立てて研ぐと刃先が鈍角になり、後々のメンテナンスが大変です。正しい研ぎ方をする習慣をつけましょう。

・庖丁を研ぐ際、無理に力を入れないでください。無理に力を入れると手元がぶれ、怪我をする場合があります。

・砥石に当てる角度を一定に保ってください。ぶれが生じた場合、刃身(ブレード)を傷つける恐れがございます。

・指が砥石に当たり指の腹の部分が擦れて擦過傷を起こす場合があります。十分にご注意ください。

砥石の種類

職人に教わる、包丁の手入れ (メディアサイト「さんち 〜工芸と探訪〜」より)

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